☆新規事業にあたっての市場調査を進めるには
新規事業を始めるに当って、何も準備しないまま始めるのは危険です。少なくともこれから行う事業のビジョンを掴んでおく必要があります。そのためにはまず、市場調査は欠かせません。どんな市場で規模はどのくらいか、成長性は見込めるのか、収益性はどのくらいか等はまず確認しておくべきです。最も基本的な方法としては業界団体が発表している資料を調べることです。たとえば出荷統計や生産統計などがそれに当ります。また、シンクタンクなどの作成した市場予測レポートなども参考になるでしょう。以上の方法で市場規模の大まかな内容だけでなく成長性に関しても過去のデータから、およその見込みが把握できるでしょう。そして収益性ですが注意したいのは新規事業開始時期のままで推移することを前提に考えるのは避ける方が良いでしょう。成長が見込める市場ほど参入業者が増え、競争は激化します。ある程度の幅を持たせて計画しましょう。
☆新規事業の規模は?売上の想定は?
次に新規事業の市場において、トップシェアはどの企業かを理解しておくことは重要です。その企業がトップシェアを独占できる理由が必ずあります。その理由を考えることは事業を成長させる上で大きなヒントになるでしょう。また、トップ企業の営業戦略を分析することも重要です。もちろん、そのまま真似るだけでは顧客は納得しないでしょうが、業界全体の方向性を知る上で参考になることは間違いありません。事業全体の規模と、これから自分が開始する新規事業の規模を比較して、何年でどのくらいのシェアを獲得できるかを想定しておきましょう。そのためには売上、費用、利益の概算が必要になります。当然、計算上そうなるというだけで現実にその通りになるとは限りません。しかし、その概算すらできていないということは事業計画そのものが未完成であることを意味します。じっくりと事業計画を練り上げた上で、事業をスタートさせましょう。
☆新規事業の展開にあたって考えたい戦略
市場調査の最終段階は市場のニーズをつかむことにあります。ニーズの無い所に事業展開しても誰も関心を示さず、事業は失敗に終わるでしょう。これまでの情報を総合して、市場が何を求めているかを掴み、そのニーズを満たすためにどうすべきかを検討する段階に入ります。言うまでもないことですが、この作業こそが事業の根幹をなしていると言っても言い過ぎではありません。ここが的外れだと、どれほど優秀なメンバーでも、管理の行き届いた組織であっても上手くいかないでしょう。顧客自身が気づいていないニーズが存在する可能性もあるのでアンケート調査やインタビュー、サンプルの提供など生のデータを活用してニーズの仮説を立て、検証することを繰り返す他ありません。