お店を始めたい人にとってまず必要なことは、物件探しをしてどこにお店を出すかを決めることだと思います。その際に良い居抜き物件が見つかれば内装工事などの費用を抑えることができます。では、居抜き物件とは具体的にどんな物件のことなんでしょうか。また、居抜き物件を選んだ場合のメリットや注意点はどんなものがあるのでしょうか。ポイントをまとめてみました。

☆居抜き物件を独立開業に活用するメリット
独立開業を検討する際にコストを抑えて、スピーディーに開業するための一つの手段として、居抜き物件を活用するケースが多々あります。以前の店舗が使用していた内装や什器・備品類を流用することで、改装や設備調達にかかる費用を大幅に抑えることができるので人気です。特に同業であった場合は、そのまま利用できるものも多くなり、より有利となります。同じお店であると行ってみたら、いつのまにか店名が変わっていたということを経験したことがあるでしょう。同業であれば、以前のお店を利用していたお客さんを、新しい店舗に誘導できるチャンスもあり、事業を軌道に乗せやすいといったメリットを無視することはできません。また、工事を短期間に終えることができますので、開業までの期間を短くすることができ、家賃負担を無駄にしないで済むといったメリットもあります。

☆居抜き物件ではない場合にかかる店舗の初期投資額は?
開業資金の大まかな内訳は、物件の保証金、内外装工事、設備・什器・備品類の調達など様々ものがあります。まともにやっていたら、初期投資が大きくなり負担が大きくなってしまいます。そこで、居抜き物件を活用することで、什器・備品類の調達コストを抑え、短期間で開業にこぎつけることができます。開業するまでにかかる初期投資額は、工事をどれくらい本格的に行うかによって変わってきますが、飲食店では数千万円程度は必要となります。また、利益が出るようになるまでの運転資金を確保しておく必要もありますので、それまでの当座の運転資金を確保するためにも、初期投資をできるだけ抑えたいと考えるのは自然なことです。居抜き物件を使うことで、総額を2分の1〜5分の1程度に圧縮できるのですから使わない手はありません。可能な限り同業種の物件である方が、お店の運営をスムーズに行う上で大切なことです。

☆居抜き物件を活用する際の注意点
レイアウトがすでに出来上がっていますので、自由な発想で店舗の設備を整えることができないといった制限があります。同業であっても、店舗オーナーが個性を出したいといった希望に合致しない場合もありますので注意が必要です。また設備の老朽化により結局のところ、備品類を買い足す必要に迫られる場合もあります。保証書や取扱いマニュアルは付属していないことがほとんどです。期待したほどの費用圧縮効果が得られない場合があります。前の店舗のお客さんを常連さんとして取り込めるメリットがある一方で、悪評などの被害を受ける場合も考慮しなければなりません。前のお店のマイナスのイメージが、新店舗にも引き継がれてしまいかねません。契約前にしっかりとチェックしなければならない事項であり、安さだけにとらわれずに重要項目の確認を怠らないようにしてください。